サクラマット水彩マルチ

全18色。
サクラマット水彩の色味で、工作用途に特化した絵具。
従来のサクラマット水彩でははじいてしまって描けなかったペットボトル、牛乳パックのフィルム面にも描く事ができる。
また、道具や衣服に絵具が付着した場合にも落とし易くなった。
APマーク、CEマーク取得で人体への安全性もアピール。
プラスチックに描く場合は長期保存に適さない。
普通色136円、金178円、銀157円。

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界面活性剤的なものを添加したのかなあ。とっても面白いと思います。
図画工作授業やワークショップ向けですね。
何かのサンプル品や試作に使うのもいいかもしれません。

衣類についた汚れの洗濯テスト写真が控えめに正直で好感が持てます。
「従来製品」は衣服についても薄くなった程度にしか洗えていない。
「マルチ」の写真だって完璧に落ちてる訳ではなくて、うっすら残ってる(笑)
従来製品だって経験から言うともうちょっときれいに洗えるでしょう、
べったり塗って長時間放置してもどこがしみだったかわからなくなりましたけど…
「落ちやすく」ですものね、決して「落ちる」とは言わない所が何とも控えめです。
あの写真よりはきれいに落ちると思うんだけどなあ…

クサカベ水彩絵具 NEO

透明水彩絵具ではホルベインと並ぶ国内メーカー。
色調は他社と比べると少しこってりとした深みを感じるが、透明水彩らしく水を多くさらっと描けば軽やかな美しい発色になる。

深みのある色調は90色中37色の不透明色、29色の半透明色からくるもの。従来からの製法を用い不透明性の強い顔料を透明色にしてしまう事無く、顔料の性質を生かした絵具づくりをした結果他社の透明水彩よりも透明感を抑えた発色になっている。不透明ではあるもののガッシュほどの力強い発色ではなく、透明色や他の画材と併用してもガッシュのような質感の対比が生じない。透明色との併用によりクサカベ透明水彩らしい深みのある発色が生まれる。透明水彩の発色が軽すぎると感じている方には是非試して欲しい。

また、カドミウム系とコバルト系の顔料を採用しない事で環境と人体にやさしい事をアピールしている。カドミウムとコバルトの代替顔料としては有機顔料を使用しているが、特に目立って品質や耐光性が劣るという事は無いので安心して使える。

セット販売の組み方のバリエーションが多く、特定のモチーフのために絵具を一式買い揃える場合(あまり色数を多く使わない時の風景画、ボタニカルアート等)に適している。何かの用途に対して必要な色をバラ買いできない初心者にもおすすめ。
今までにはカラーチャートの中から日本画的な色調のみを集めた和彩セット(36色、18色)や基本12色セットに特定の色グループの6色を追加する事で風景画に適したパレットや人物画に適したパレットが完成する+6シリーズがある。(+6シリーズは期間限定品だったが、小さな画材店では何年経っても置いてあるのを良く見る事ができる。バラ売りよりも安い価格設定なので、見つけたら買っておくといい)

全90色。
2号チューブ。A色160円、B色200円、C色240円。
4号チューブは白のみ280円。

絵具

顔料とビヒクルを練り合わせたもの。
日本画の場合膠と練り合わせる前の顔料も絵具と呼ぶ。

ペースト状または液状で瓶やチューブ等の容器に入れられたものを一般的に絵具と呼ぶ事が多いが、これに限らず色鉛筆やパステル等も「固形絵具」と呼ぶ。

・顔料や染料といった色のつく物質を含んでいて
・絵画用に使われる、または絵画用に使える
・基底物にくっつく性質のあるもの
であれば何でも「絵具」と呼んで差し支えないような気もする。

下張り(捨て張り)

パネルやボードに本紙を水張りする前に、あらかじめ適当な紙を張っておくこと。

木製パネルやボードは薄い板を張り合わせた合板であることが多い。合板は経年劣化によりはがれたり、接着剤が板の表面に染み出てきたり、あくが出る事がある。そのあくが絵画にしみを作ったり、劣化させてしまうことを防ぐため(絵を描いた紙と板が直接触れないようにするために)紙を張る事を下張り(捨て張り)という。

下張りがしてあれば、板の劣化に合わせて絵を板からはがし別の板に張り替える事が出来る。
板の劣化はよほど粗悪なものでない限りは数十年、悪くても十数年は持つものなので、百年単位の保存を意識していない作品にはわざわざ下張りを施す必要は無い。また、描き終わったら紙をはがしてしまう作品にも下張りをする必要は無い。額装のため板に張りっぱなしの作品には一応しておいた方が無難。

日本画の場合新鳥の子紙(鳥の子紙に似た洋紙)等を下張りに使う。

日本画の道具と技法

日本画の道具と技法

日本画の絵具
日本画用の主な絵具に岩絵具、水干絵具があります。
これらの絵具は粉の状態で売られていて、これを膠(動物の皮などから作る接着剤)で溶いて使います。

ほとんどの種類の絵具は顔料と接着剤(糊材、ビヒクル)でできていて、例えばアクリル絵具の場合は顔料とアクリルポリマーエマルジョンを混ぜたものがチューブに入って売られています。
色のもとになる顔料が、紙や布に接着剤でくっつけられて色がつくとお考え下さい。日本画ではこれが別々に売られているので、自分で混ぜて使える状態にします。

他に代表的な絵具として、胡粉(ごふん)があります。胡粉も水干(精製)して作られるため、水干絵具と同じ売られ方をしていることがありますが溶き方も種類の豊富さも異なります。

日本画の絵具には、他にも棒絵具、鉄鉢、泥、朱などがありそれぞれ使い方が異なります。

日本画の紙
日本画では主に和紙に描きます。絵画用の和紙があり、画材屋さんに行けば売られています。
生と書かれているものはにじみ止め加工がされていないもの、ドーサ又はドーサ引きと書かれているものがにじみ止め加工がされているものです。

和紙は水張りをして使います。
和紙は大体つるつるした方が表(絵を描く面)になります。洋紙の水彩紙でざらざらした方が表になるのとは逆になりますので、注意して下さい。
また、新鳥の子紙は鳥の子紙(和紙)に似せてつくられた洋紙なので注意します。

日本画の筆
洋画の筆と比べてふくみの良い筆が使われます。面相、彩色、削用、則妙、隈取などの筆が良く使われます。水干絵具は洋画の筆(水彩用の柔らかい筆)でも使えますが、特に目の粗い岩絵具だと扱いが難しくなるようです。

百叩き

日本画で胡粉を練る時に、叩いて膠と胡粉をなじませること。

胡粉を乳鉢ですった後、膠を加えて団子状にした胡粉(胡粉団子)を絵皿に向かって叩き付け、膠と胡粉をしっかりと馴染ませる。ぱん、というかぱちん、というか、上手い人は響くようなイイ音がする。叩きつける回数は厳密に100回でなくとも構わないが、100回くらい叩くといい。団子の表面が照りを帯びるようになってくると馴染み度合いも膠の量も丁度良く、いい色の胡粉になる(飛切胡粉の場合。白鳳はそうでもなく、花胡粉に至ってはつやっぽく見えるようになった事が無い。胡粉の性質にもよるものと思われる。飛切は高価でも明らかに他の胡粉とは違う感じがする)。

大き目の絵皿を使った方がやり易い。
小さい絵皿だと勢いで落としてしまい、汚れがついて折角の白さが台無しになってしまう事もあるし、薄い絵皿だと勢い余って割ってしまう事がある(厚く大きな絵皿でも割れる時は割れるけど)。是非絵皿を割る程のイイ音で叩いていただきたい。

ワニス

綴りはvarnish。バニス、ヴァニス、バーニッシュとも読む。
油彩画やアクリル画、水彩画で画面を保護し、つやを調整するために塗布される樹脂。
製作中に絵具に混ぜて絵具のつやを調節する事もできる。
特に絵画が完成して、最後に塗るワニスをタブローという。

油絵や厚塗りのアクリル絵具、アルキド樹脂絵具では、絵具が乾燥し揮発成分や水分が抜けた穴に光が乱反射する為につやが引いた状態になる。また、絵具でも顔料の粒子が大きいものはその粒子の凹凸でつやが出にくい。このざらつきを塞ぎ絵具の表面を平らにする事によって画面につやを与えるのがつや出しタイプで、「つや出し」「グロス」等の言葉が入って売られている。反対に絵具のつやを消すものもあり、蝋やシリカを含む事によって画面をざらざらにしてつやを出さないようにする。

制作の途中で使用する

絵具には顔料の性質によってつやのある色・つやの無い色があり、つやのある色は深く見えるので暗い印象、つやの無い色は平らに見え明るい印象になる。製作中のつやの異なる絵具の使用で画面の中につやのムラができてしまった場合、そういった印象の違いによって色のバランスが崩れてしまう事がある。ルツーセや絵具に混ぜるワニスを使う事によって画面のつやを統一し、完成の印象に近いままで制作をする事ができる。

制作の最後に使用する

完成した絵画をガスや煙(特に煙草のヤニ等)、塵や埃から守るため、また画面のつやを調整するために塗られる。油彩の場合タブロー自体は黄変する事があるが、ペトロールを使ってはがせば再び塗り直す事ができる。

タブローは絵具の表面を覆うように塗布される。
そのため絵具がまだ完全に乾燥していない状態で塗ると絵具に含まれる水分や揮発成分の行き場所が無くなり、画面が白く濁ったり、絵具の耐久性を損ねる原因にもなる。
油彩の場合は半年以上、アクリル絵具でも24時間以上は乾燥させてからの塗布が安全。

完全乾燥前に画面につやを持たせたい場合は一時的につやを回復させるワニス(ルツーセ)を使用する。ルツーセは樹脂の濃度が他のワニスに比べて低く、絵具を呼吸できる状態にしながらつやを出す。
普通のワニスよりは作品を保護する力が弱いので、ルツーセを塗った場合でも絵具の完全乾燥後にタブローを塗るのを忘れないようにする。

油絵具でタブローを塗る際、画面上ではじいて上手く塗れない事がある。
こういった時ははじく箇所をペトロールかテレピンを含ませた布で拭き、はじかないようになった後で再び塗る。
そのままタブローを塗り続けると画面が凸凹になり画面が荒れてしまう。

○透明水彩&薄塗りアクリル絵具
コート剤として、防カビ効果のあるスプレーが市販されている。
また、紫外線保護効果のある水彩画用ワニスもあり、インクジェット出力した紙にも向いている。
水彩絵具の場合制作しながら使用する事はほとんど無く、完成後に吹きつける。
使用法・成分的にもワニスよりフィキサチフに近い。

・UVグロスバーニッシュ(ホルベイン) 220mlエアゾール
 組成:アクリル樹脂、精製石油系溶剤
・UVマットバーニッシュ(ホルベイン) 220mlエアゾール
 組成:アクリル樹脂、ワックス、精製石油系溶剤
・水彩画保護ワニス(ホルネイン) 220mlエアゾール
 組成:防黴剤、合成樹脂、エタノール
※製品情報は2004年06月現在

グリセリン

水に溶け易く保水力が非常に高い物質。
水彩絵具を水に溶けやすくする為に添加されている。
毒性が無く、化粧品や医薬品にも添加されている事が多い。

産業革命以前、グリセリンを添加していなかった水彩絵具は非常に硬いブロック状で、棒絵具や墨のようにすりおろしたりナイフで削って粉にして使用していた。

顕色材

絵具が色を発するために必要な物質。顔料や染料のことで、顕色材と展色材(ビヒクル)の組み合わせで絵具ができる。

腕鎮

イーゼルで絵を描く際に、腕を支える道具。マールスティック。
細部を描き込む時に使うと安定して描く事ができる。
棒の先をコルクや革でつつんで、画面を傷つけにくいようにできている。

和紙

日本伝統の紙。洋紙に比べて繊維が長く、しなやかで強い。主に日本画で支持体として使われているが、風合いの面白さから水彩絵具やペーパークラフトでも良く用いられる。 ドーサの塗られていないものを生という。

ロットリング

ロットリング社の商標。万年筆など幅広いラインナップがあるが、デザイン・コミックでロットリングと言えばラピットグラフ、イソグラフの2本を指す。 製図ペンの代表的な製品で、その為の製図ペンの事をロットリングと呼ぶ場合がある。

リンシードオイル

亜麻の実からとった油の事で、ポピーオイルと並んで油彩画で使われる代表的な乾性油の一つ。亜麻仁油。
ポピーオイルと比べると乾燥が早く、ひびわれしにくく丈夫であるが黄変しやすい。リンシードオイルを加工したものにサンブリーチドオイル、スタンドオイルがある。

リノカット

凸版版画の技法の一種。建築(主に床材)に使われるリノリウム板を直接彫って版を作る。大きな板を比較的安価に入手できることと、柔らかく、木材のような目がないことからどの方向にも彫る事ができ非常に扱い易い。道具も手順も木版画と同じで良いのが手軽。

ラベンダーオイル

スパイクオイル。アスピックオイル。スパイクラベンダーオイル。アロマテラピー等に用いられるラベンダーとは種類の違うラベンダー(スパイクラベンダー)からつくられている。乾燥が遅く、樹脂化するのでべたつきが残る。

ラバークリーナー

マスキング液(マスケットインク)や ペーパーセメントをはがすのに用いるゴム。ロール状になっているものと板になっているものがあるので、使い易い大きさに切って使用する。 和紙や繊維の出ている紙に使うと紙を傷めるので注意。

油煙墨

胡麻、菜種等の植物油を燃やしたすすから作られる墨。
茶色みをおびた黒色であることから茶墨とも呼ばれる。

有機顔料

染料や色素に化学処理を加えて水に溶けないようにしたもの。
特に染料、色素を白色や無色の顔料に定着させたものをレーキという。
有機顔料の特徴は一般的に(1)鮮やか(2)透明感(3)軽い(4)着色力が強い(5)色相の幅が広い。
有機顔料は堅牢性が少ないとされてきたが、
近年研究が進み専門家用絵具の高級有機顔料などはかなりの耐光性を持つようになった。
レーキ系絵具の上から白を塗ると、顔料から染料が染み出して白色にしみを作る事がある。
これをブリード(泣き)という。