没骨

中国の画家徐煕によって始められた東洋画の技法の一つで、輪郭線を描かずに描くもの。花鳥画に多く用いられ柔らかく軽い表現ができる。没線ともいうが、没骨の方が一般的。 没骨筆(付立筆)を使用する。

木炭

デッサンや絵画の下絵に使われる軟質の炭のことで、木を原料にして作られたもの。
木の種類によって様々な微妙な色合いが出る。
デッサンの際には主に木炭紙を使用し、消し具には練りゴム、パンくずなどを用いる。
中心部に芯と呼ばれる柔らかい部分があり、芯抜きを利用して芯を取ると描き易くなる。
榎炭、栗炭、玄圃梨炭、椋炭、柳炭など。

毛氈

ドーサ引きをする時に紙の下に敷いて使う、フェルトの布。
ふわふわして紙との接点が少なく、水をはじくので膠を含んだ紙をのせても貼り付いてしまわないようになっている。

目止め

生キャンバスに膠(兎膠)を塗って絵具の布地への染み込みを防ぐこと。裏面に絵具がにじむのを防ぐのと、絵具に含まれる油による酸化を防ぐ効果がある。

メディウム

メジウムとも呼ぶ。絵具に様々な表情を与えるペースト状のもののこと。
絵具に混ぜたり、絵具の下地に使う事で透明感が増す、定着が良くなる、乾きが遅くなる、盛り上げてもひび割れしなくなる、砂やビーズのような質感が出る、にじむようになる等、様々な効果が得られるようになる。
様々な絵具にそれに適したメディウムが作られていて、特にアクリル絵具で種類が豊富。

明礬

茄子漬を作ったり、温泉、理科の実験や化学でも御馴染みの物質。
市販されている明礬には、生明礬と焼き明礬があり生明礬は焼き明礬よりも効果が強い。
美術では主に日本画・書道・染色・陶芸・マーブリングで使われる。

[日本画]
生明礬を使用。
膠液に少量加えて使うとにじみをおさえ、絵具の剥落を防ぐ事ができる。
和紙に絵を描く前ににじみを調整するドーサ引きの際に使用。
[書道]
日本画同様、にじみを抑える為に使われる。
[染色]
染物で染料を布に固定させる媒染剤としてはたらく。また、発色を良くする。
[陶芸]
礬水液(ドーサ液)を作るのに使う。
[マーブリング(墨流し)]
発色を上げる為に使われる。

水筆

軸の中に水を入れておき、そこから水が滲み出てくる為筆洗がなくても描画可能な筆の事。のばしやぼかしがきき透明水彩(淡彩)に向いている。のばし・ぼかし以外の技法(特にドライブラシ、不透明水彩絵具のフラットな塗り、厚塗り等の水の量が増えると扱い難くなる技法)を使う場合は中の水を抜いて筆洗を使用すればできない事もないが、普通の筆と比べて筆先に耐久性やコシがないので普通の筆を使った方が無難。

水金箔

金箔の一種。仏師箔ともいう。金と銀が大体1:1の割合でできた箔で、両方の性質を併せ持ちます。

丸ペン

ペン先の一種。
他のペン先よりも一回り細くできていて、丸ペンに対応したペン軸が必要となる。
細くて弾力のある線を引ける。

水張りテープ

紙テープの片側に水に溶ける糊が塗られたもの。 水張りの際にこれを使ってとめると、手間がかからずとめやすい。紙テープの色によって値段に差があるが、機能としては同じ物。パネルを額装せずにそのまま展示する場合はクラフトだと安っぽいので、他の色を使ったりする。

水張り

紙に水彩で描く時に、紙が水を吸って波うってしまったり大きさが変わる事が無いように
あらかじめ水をつけてパネル(板)に張ることをいう。
様々な手順があり、道具も色々あるが結果的に紙がピンと張っていればいいので自分に合ったやり方を探すとよい。

マスケットインク

マスキングに使う液。筆やペンにつけて使い、乾燥するとゴム状になる。マスキング液。
テープやフィルムフィルムとは異なり細くて自由な線や面を引ける。
筆についたまま液が乾燥すると固まってとれなくなるのでまめに洗うようにするが、もし固まってしまった場合には専用の筆洗液か除光液でとる事ができる。
はがす時にはラバークリーナーを使用するとやりやすいが、指やピンセットでも代用可能。

マスキングテープ

マスキングに使う粘着力の弱いテープ。直線をはっきり描くのに向く。
様々な幅のものがあり、紙をいためずはがすことができる。
長期間貼り付けたままにしておくと糊が画面に残ったままになる事があるので、
作業が終わったら早めにはがしたい。夏季は特に注意する必要がある。

めのう棒

箔を磨くのに使う棒のこと。テンペラで見られる鏡のように滑らかな金箔はこれで磨いてつくられる。

箔を置いた後、その上をめのう棒で丁寧にこする事によって箔の細かい凹凸が伸ばされ、まるで鏡か金の塊のような輝きを放つようになる。工芸や、テンペラでもレリーフのような凹凸があるものでも磨けるように、使う場所に応じて様々な型・大きさがある。
素材はめのうに限らず、ガーネット等の硬度7程度のなめらかで均質な石であれば使える。めのうの中でもオニキス等のアゲート類、カーネリアンやサードといったカルセドニー類が使われているものなど、バリエーションも多く眺めているだけでも楽しい。

宝石が使われているだけあって、絵画材料としては非常に高価で1万円前後するものが多い。だが、工芸や陶芸で使われるめのうのヘラ(棒になっていないもので、直接めのうを持って使うもの)は比較的安価に手に入る事が多く、そちらでの代用も可能。

っつーか、硬さが同じならガーネットでもいい、という事は宝石にこだわる必要があるのでしょうか。合成めのう棒か何かあっても良いような気は致しますが、決して需要のある物ではないから作らないのかな。確かに金地にめのうって似合いますけど、ねぇ。