地塗り

ファンデーション絵具やジェッソを塗ること。
生キャンバスに地塗りを行うと発色や定着力、描き味が良くなる。

油彩用の地塗りには、シルバーホワイトが適している。
ジンクホワイトは亀裂や剥離につながる可能性があるので使わない。
チタニウムホワイトは地塗りにも使用できるが、人工的な白色があり乾燥も遅いため扱いにくい。
またフレークホワイト、ミキシングホワイトのように複数の白色を混ぜてつくられた絵具は、それぞれの白色の特性に左右される。

アクリル絵具や透明水彩等の水性絵具へは、アクリルジェッソが適している。
アクリルジェッソは多孔質でざらざらしているため、上から透明水彩を塗ってもはじかない。

錆漆

水で硬めのペースト状に練った砥の粉と、生漆を1:1で混ぜ合わせたもの。
パテのように使用し、陶器の欠損部分を埋めるのに使用する。

糊漆

でんぷん糊と生漆を1:1で混ぜ合わせたもの。
金継ぎなどで、陶器の繋ぎ合わせる際の接着剤として使われる。

でんぷん糊には炊いた白米を潰した糊や、強力粉や上新粉を煮た糊が使われる。
硬さを増すために砥の粉を加えたり、防腐剤としてホルマリンが添加されることもある。

金継ぎ

陶器や磁器の修理方法の一種。
糊漆で割れた部分を接着したり、錆漆で欠損部分を補修し、漆と金粉で仕上げを行う。
金粉の代わりに銀粉を使用したり、金属粉を使用せず色漆で仕上げる場合もある。

ハコ組み

書籍やポスター等で使われる複数行のテキストで、一行の左右が合うように組むこと。均等割付。
文字数の少ない行は文字の間隔を空けたり、文字数の多い行では字間を詰めて文頭と改行位置を合わせる。

アート紙

光沢のある紙。カレンダーや画集などに使われている。
上質紙に、約20g/1㎡のクレイを塗布しプレスすることにより光沢と張りを出している。

似た質感の紙にコート紙(約10g/1㎡のクレイを塗布した紙)があり、アート紙よりも安価。
また基となる紙に中質紙を用いた、より安価な中質コート紙もある。

絵具

顔料とビヒクルを練り合わせたもの。
日本画の場合膠と練り合わせる前の顔料も絵具と呼ぶ。

ペースト状または液状で瓶やチューブ等の容器に入れられたものを一般的に絵具と呼ぶ事が多いが、これに限らず色鉛筆やパステル等も「固形絵具」と呼ぶ。

・顔料や染料といった色のつく物質を含んでいて
・絵画用に使われる、または絵画用に使える
・基底物にくっつく性質のあるもの
であれば何でも「絵具」と呼んで差し支えないような気もする。

下張り(捨て張り)

パネルやボードに本紙を水張りする前に、あらかじめ適当な紙を張っておくこと。

木製パネルやボードは薄い板を張り合わせた合板であることが多い。合板は経年劣化によりはがれたり、接着剤が板の表面に染み出てきたり、あくが出る事がある。そのあくが絵画にしみを作ったり、劣化させてしまうことを防ぐため(絵を描いた紙と板が直接触れないようにするために)紙を張る事を下張り(捨て張り)という。

下張りがしてあれば、板の劣化に合わせて絵を板からはがし別の板に張り替える事が出来る。
板の劣化はよほど粗悪なものでない限りは数十年、悪くても十数年は持つものなので、百年単位の保存を意識していない作品にはわざわざ下張りを施す必要は無い。また、描き終わったら紙をはがしてしまう作品にも下張りをする必要は無い。額装のため板に張りっぱなしの作品には一応しておいた方が無難。

日本画の場合新鳥の子紙(鳥の子紙に似た洋紙)等を下張りに使う。

百叩き

日本画で胡粉を練る時に、叩いて膠と胡粉をなじませること。

胡粉を乳鉢ですった後、膠を加えて団子状にした胡粉(胡粉団子)を絵皿に向かって叩き付け、膠と胡粉をしっかりと馴染ませる。ぱん、というかぱちん、というか、上手い人は響くようなイイ音がする。叩きつける回数は厳密に100回でなくとも構わないが、100回くらい叩くといい。団子の表面が照りを帯びるようになってくると馴染み度合いも膠の量も丁度良く、いい色の胡粉になる(飛切胡粉の場合。白鳳はそうでもなく、花胡粉に至ってはつやっぽく見えるようになった事が無い。胡粉の性質にもよるものと思われる。飛切は高価でも明らかに他の胡粉とは違う感じがする)。

大き目の絵皿を使った方がやり易い。
小さい絵皿だと勢いで落としてしまい、汚れがついて折角の白さが台無しになってしまう事もあるし、薄い絵皿だと勢い余って割ってしまう事がある(厚く大きな絵皿でも割れる時は割れるけど)。是非絵皿を割る程のイイ音で叩いていただきたい。

ワニス

綴りはvarnish。バニス、ヴァニス、バーニッシュとも読む。
油彩画やアクリル画、水彩画で画面を保護し、つやを調整するために塗布される樹脂。
製作中に絵具に混ぜて絵具のつやを調節する事もできる。
特に絵画が完成して、最後に塗るワニスをタブローという。

油絵や厚塗りのアクリル絵具、アルキド樹脂絵具では、絵具が乾燥し揮発成分や水分が抜けた穴に光が乱反射する為につやが引いた状態になる。また、絵具でも顔料の粒子が大きいものはその粒子の凹凸でつやが出にくい。このざらつきを塞ぎ絵具の表面を平らにする事によって画面につやを与えるのがつや出しタイプで、「つや出し」「グロス」等の言葉が入って売られている。反対に絵具のつやを消すものもあり、蝋やシリカを含む事によって画面をざらざらにしてつやを出さないようにする。

制作の途中で使用する

絵具には顔料の性質によってつやのある色・つやの無い色があり、つやのある色は深く見えるので暗い印象、つやの無い色は平らに見え明るい印象になる。製作中のつやの異なる絵具の使用で画面の中につやのムラができてしまった場合、そういった印象の違いによって色のバランスが崩れてしまう事がある。ルツーセや絵具に混ぜるワニスを使う事によって画面のつやを統一し、完成の印象に近いままで制作をする事ができる。

制作の最後に使用する

完成した絵画をガスや煙(特に煙草のヤニ等)、塵や埃から守るため、また画面のつやを調整するために塗られる。油彩の場合タブロー自体は黄変する事があるが、ペトロールを使ってはがせば再び塗り直す事ができる。

タブローは絵具の表面を覆うように塗布される。
そのため絵具がまだ完全に乾燥していない状態で塗ると絵具に含まれる水分や揮発成分の行き場所が無くなり、画面が白く濁ったり、絵具の耐久性を損ねる原因にもなる。
油彩の場合は半年以上、アクリル絵具でも24時間以上は乾燥させてからの塗布が安全。

完全乾燥前に画面につやを持たせたい場合は一時的につやを回復させるワニス(ルツーセ)を使用する。ルツーセは樹脂の濃度が他のワニスに比べて低く、絵具を呼吸できる状態にしながらつやを出す。
普通のワニスよりは作品を保護する力が弱いので、ルツーセを塗った場合でも絵具の完全乾燥後にタブローを塗るのを忘れないようにする。

油絵具でタブローを塗る際、画面上ではじいて上手く塗れない事がある。
こういった時ははじく箇所をペトロールかテレピンを含ませた布で拭き、はじかないようになった後で再び塗る。
そのままタブローを塗り続けると画面が凸凹になり画面が荒れてしまう。

○透明水彩&薄塗りアクリル絵具
コート剤として、防カビ効果のあるスプレーが市販されている。
また、紫外線保護効果のある水彩画用ワニスもあり、インクジェット出力した紙にも向いている。
水彩絵具の場合制作しながら使用する事はほとんど無く、完成後に吹きつける。
使用法・成分的にもワニスよりフィキサチフに近い。

・UVグロスバーニッシュ(ホルベイン) 220mlエアゾール
 組成:アクリル樹脂、精製石油系溶剤
・UVマットバーニッシュ(ホルベイン) 220mlエアゾール
 組成:アクリル樹脂、ワックス、精製石油系溶剤
・水彩画保護ワニス(ホルネイン) 220mlエアゾール
 組成:防黴剤、合成樹脂、エタノール
※製品情報は2004年06月現在

グリセリン

水に溶け易く保水力が非常に高い物質。
水彩絵具を水に溶けやすくする為に添加されている。
毒性が無く、化粧品や医薬品にも添加されている事が多い。

産業革命以前、グリセリンを添加していなかった水彩絵具は非常に硬いブロック状で、棒絵具や墨のようにすりおろしたりナイフで削って粉にして使用していた。

腕鎮

イーゼルで絵を描く際に、腕を支える道具。マールスティック。
細部を描き込む時に使うと安定して描く事ができる。
棒の先をコルクや革でつつんで、画面を傷つけにくいようにできている。

和紙

日本伝統の紙。洋紙に比べて繊維が長く、しなやかで強い。主に日本画で支持体として使われているが、風合いの面白さから水彩絵具やペーパークラフトでも良く用いられる。 ドーサの塗られていないものを生という。

ロットリング

ロットリング社の商標。万年筆など幅広いラインナップがあるが、デザイン・コミックでロットリングと言えばラピットグラフ、イソグラフの2本を指す。 製図ペンの代表的な製品で、その為の製図ペンの事をロットリングと呼ぶ場合がある。

リンシードオイル

亜麻の実からとった油の事で、ポピーオイルと並んで油彩画で使われる代表的な乾性油の一つ。亜麻仁油。
ポピーオイルと比べると乾燥が早く、ひびわれしにくく丈夫であるが黄変しやすい。リンシードオイルを加工したものにサンブリーチドオイル、スタンドオイルがある。

リノカット

凸版版画の技法の一種。建築(主に床材)に使われるリノリウム板を直接彫って版を作る。大きな板を比較的安価に入手できることと、柔らかく、木材のような目がないことからどの方向にも彫る事ができ非常に扱い易い。道具も手順も木版画と同じで良いのが手軽。