シュミンケ・ホラダム最高級透明水彩絵具

ふくろうのロゴがかわいいドイツ製透明水彩絵具。
チューブ、ハーフパン、ラージパンを揃えているので用途に合った形の絵具を選べる。
透明水彩絵具の中では高価で、あまりメジャーではないため店頭に置かれている時間が長いものもあり、チューブの絵具を買うとメディウムが分離していたり硬くなっていたりする。その場合は細いものでかき混ぜたり、パレット上で水を足しながら使う。

色は少しこっくりとした強く鮮やかな印象。
中間色が少なく、グレーやベージュ等のパステルトーンが少ないのも印象的。オペラが無くてマゼンタがあるあたりが、全体として鮮烈な印象を持つ一因になっているのかもしれない。ニュアンスのある色調が多い。
ずばっと静物に合いそうな色は少ないので、美大受験生がセット買いするのには向かないかも(差し色に使って効果的なケースや、手持ちのセットに数色足す事で威力を発揮しそうな色はたくさんある)。

しかしパンフレットにもサイトにも「知る人ぞ知る」って書いてあるけれど、そんなにマニアックなのかしら?
確かにマニア受けしそうな色調ではあるけれど。。セットの金属ケースとか、かわいいのになー。

全110色。

ターナー トランヴェール

鮮やかでのびが良く、爽やかで透き通った印象の発色。
使用感、仕上がり共にどこまでも爽やかで軽やか。

他に売られている透明水彩が一般的に5ml金属チューブなのに対し、トランヴェールは11mlビニールチューブで売られている。内容量の割に安価で、また他社と比べると少ないながらも非常に扱いやすい色ラインナップを持つ。割安感とビニールチューブの出しやすさ、それと伸びの良さから、大作を描いたらさぞかし気持ちいいだろうなあと思う。
色の耐久性も売りの1つ。他社と比べても安定性のある単一顔料を使用しているものが多く、安価でも本格的でないということは全くない。入門者から専門家まで使える絵具。

量が多く割安なので、チタニウムホワイト等メーカーによる個性の差が少なくて良く消費する絵具はトランヴェール、決め色は既に使っているメーカーの絵具、という使い分けをしてもいいかもしれない。
ホルベイン108色揃える前だったら全色買いしてたなー…惜しい…

ホルベイン 透明水彩絵具

透明水彩絵具ではクサカベと並ぶ国内メーカー。
変わらない赤い箱がトレードマーク。
Holbein Artists’ Water Colorの頭文字を取ってHWCのロゴを使っている。

しっとりとした、少し粉っぽい印象を持つ色味を持つ。中間色の印象は日本画的。

全108色、どの色にも2号チューブ(5ml)と5号チューブ(15ml)があり便利。

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多く語るべき事が無い、でも全体的な品質と使用感といった言葉にしにくい所が好きな絵具。
他社絵具のレビューはホルベインを中心にして書いている節があるので書く事が思い当たらないのもあるとは思うのですが。。困ったな。

全色愛してるので、108色はそのまま私の煩悩の数かもしれない。

水彩用メディウム

水彩画にメディウムを用いる事はアクリル絵具ほど一般的ではない。
メディウムの種類も、絵具に効果を与えるというよりも水彩絵具の特徴の調整を行うものが多い。
アクリル向けメディウムのように目立つ存在ではないが、小技をきかせるのが得意だ。

○絵具の透明度・流動性・色の深みを変えるメディウム

・ウォーターカラーメディウム(ホルベイン)
絵具の色の伸びが良くなり、色調に深みが出る。絵具に加えて使用。
たらしこみによるにじみは抑えられ、湿った面にもある程度細い線が引けるようになる。
多量の使用と厚塗りはひび割れの危険があるので注意。
同社のアラビアゴムメディウムよりはアラビアゴムが弱めに入っている。
組成:アラビアゴム、酢酸 55ml瓶入り

・アラビアゴムメディウム(ホルベイン)
水彩絵具の糊材(ビヒクル)。絵具や顔料に加えて使用。
顔料にこれを加えて練ると水彩絵具ができ、多めに加えれば透明水彩、少なめに加えるとガッシュができる。
絵具の透明度を高めるはたらきがあり、色調に深みが出る。
また、たらしこみによるにじみを抑える効果がある。
ガッシュやポスターカラーに混ぜて透明水彩調にするのはもちろん、透明水彩に添加しても面白い。
組成:アラビアゴム、グリセリン、防腐剤 55ml瓶入り

・アラビアゴムペースト(ホルベイン)
アクリル絵具でいうところのグロスメディウムのようなもの。
絵具に添加する事で透明水彩でもタッチを残して描く事ができる。
絵具の流動性を抑えるので、画面上で絵具が混ざるのを防ぐ事ができる。
多少凹凸のある画面を作る事ができるが、アクリルや油のような盛り上げは
画面のひび割れを招く事がある。
組成:アラビアゴム、増粘剤、グリセリン、防腐剤 15mlチューブ入り

・オックスゴール(ホルベイン)
絵具に加えるか紙に塗布して使用。
紙のにじみ止め(サイジング)が強すぎる時にこれを使うと絵具がにじむようになる。
ぼかしやたらしこみの効果を強調したい時に絵具に添加すると便利。
紙全体に塗布してにじみ止めを弱める事もできる。
組成:界面活性剤(胆汁)、防腐剤、防黴剤 55ml瓶入り

・サイジングリキッド(ホルベイン)
紙に塗布して使用。
にじみの強い紙にこれを塗布する事で絵具のにじみを抑える事が出来る。
手漉き紙や生の和紙など、にじみ止めがされていない紙を使う時に
これを塗布してから描くと感触が水彩紙に近づき扱いやすい。
組成:アクリル樹脂、水 55ml瓶入り

○絵具に特殊な効果を与えるメディウム

・イリデッセントメディウム(ホルベイン)
雲母が含まれているので、絵具に混ぜるとパールカラーにする事ができる。
乾燥後の画面に塗ってパール感を出す事も可能。
日本画材料として売られている雲母にアラビアゴムメディウムを混ぜて自作できる。
組成:雲母チタン、アラビアゴム、グリセリン、防腐剤 55ml瓶入り

サクラマット水彩マルチ

全18色。
サクラマット水彩の色味で、工作用途に特化した絵具。
従来のサクラマット水彩でははじいてしまって描けなかったペットボトル、牛乳パックのフィルム面にも描く事ができる。
また、道具や衣服に絵具が付着した場合にも落とし易くなった。
APマーク、CEマーク取得で人体への安全性もアピール。
プラスチックに描く場合は長期保存に適さない。
普通色136円、金178円、銀157円。

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界面活性剤的なものを添加したのかなあ。とっても面白いと思います。
図画工作授業やワークショップ向けですね。
何かのサンプル品や試作に使うのもいいかもしれません。

衣類についた汚れの洗濯テスト写真が控えめに正直で好感が持てます。
「従来製品」は衣服についても薄くなった程度にしか洗えていない。
「マルチ」の写真だって完璧に落ちてる訳ではなくて、うっすら残ってる(笑)
従来製品だって経験から言うともうちょっときれいに洗えるでしょう、
べったり塗って長時間放置してもどこがしみだったかわからなくなりましたけど…
「落ちやすく」ですものね、決して「落ちる」とは言わない所が何とも控えめです。
あの写真よりはきれいに落ちると思うんだけどなあ…

クサカベ水彩絵具 NEO

透明水彩絵具ではホルベインと並ぶ国内メーカー。
色調は他社と比べると少しこってりとした深みを感じるが、透明水彩らしく水を多くさらっと描けば軽やかな美しい発色になる。

深みのある色調は90色中37色の不透明色、29色の半透明色からくるもの。従来からの製法を用い不透明性の強い顔料を透明色にしてしまう事無く、顔料の性質を生かした絵具づくりをした結果他社の透明水彩よりも透明感を抑えた発色になっている。不透明ではあるもののガッシュほどの力強い発色ではなく、透明色や他の画材と併用してもガッシュのような質感の対比が生じない。透明色との併用によりクサカベ透明水彩らしい深みのある発色が生まれる。透明水彩の発色が軽すぎると感じている方には是非試して欲しい。

また、カドミウム系とコバルト系の顔料を採用しない事で環境と人体にやさしい事をアピールしている。カドミウムとコバルトの代替顔料としては有機顔料を使用しているが、特に目立って品質や耐光性が劣るという事は無いので安心して使える。

セット販売の組み方のバリエーションが多く、特定のモチーフのために絵具を一式買い揃える場合(あまり色数を多く使わない時の風景画、ボタニカルアート等)に適している。何かの用途に対して必要な色をバラ買いできない初心者にもおすすめ。
今までにはカラーチャートの中から日本画的な色調のみを集めた和彩セット(36色、18色)や基本12色セットに特定の色グループの6色を追加する事で風景画に適したパレットや人物画に適したパレットが完成する+6シリーズがある。(+6シリーズは期間限定品だったが、小さな画材店では何年経っても置いてあるのを良く見る事ができる。バラ売りよりも安い価格設定なので、見つけたら買っておくといい)

全90色。
2号チューブ。A色160円、B色200円、C色240円。
4号チューブは白のみ280円。