パネルやボードに本紙を水張りする前に、あらかじめ適当な紙を張っておくこと。
木製パネルやボードは薄い板を張り合わせた合板であることが多い。合板は経年劣化によりはがれたり、接着剤が板の表面に染み出てきたり、あくが出る事がある。そのあくが絵画にしみを作ったり、劣化させてしまうことを防ぐため(絵を描いた紙と板が直接触れないようにするために)紙を張る事を下張り(捨て張り)という。
下張りがしてあれば、板の劣化に合わせて絵を板からはがし別の板に張り替える事が出来る。
板の劣化はよほど粗悪なものでない限りは数十年、悪くても十数年は持つものなので、百年単位の保存を意識していない作品にはわざわざ下張りを施す必要は無い。また、描き終わったら紙をはがしてしまう作品にも下張りをする必要は無い。額装のため板に張りっぱなしの作品には一応しておいた方が無難。
日本画の場合新鳥の子紙(鳥の子紙に似た洋紙)等を下張りに使う。