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油絵具の乾燥

油絵具がべたつかなくなり、固着する事を乾燥という。
これは水が乾くのとは全く異なり、乾性油が空気中の酸素と重合して起こる化学変化である。
水彩は水が蒸発する事により乾燥前よりも乾燥後の方が軽くなるが、油絵具の場合は酸素の分わずかに重くなる。
絵具のチューブに記載されている乾燥日数はあくまで指触乾燥で、中まで完全に乾燥するには半年程度かかる。そのため、それよりも早く保護ワニスをかけてしまうと表面の白濁や様々なトラブルの原因になるので注意したい。

乾燥を早める方法としては、
(1)シッカチフを加える
(2)環境を整える

事が挙げられる。

シッカチフは鉛、コバルト、マンガンなどの金属塩で、酸素を運び入れ酸化重合の促進剤としてはたらく。ただし、入れすぎると画面の黒変や表面の皺の原因になるので絵具の量の30%にとどめるようにする。
シッカチフは画用液に混合して使うものとチューブに入って練られているパートシッカチフがあり、パートシッカチフは絵具の粘度を下げずに使う事ができるので盛り上げやタッチを生かした表現に向いている。

油絵具が乾燥するのに最適な環境は、気温が高く換気が良い事。夏の窓際のような場所がベストで、少なくとも完全に乾燥するまで(最後に筆を置いてから6ヶ月~1年程度)は風の通る場所・密閉しない場所に置いておく方が良い。

油絵具はそれぞれの色(使われている顔料)によって乾燥度(乾燥する速さ)が異なる。
無機顔料は有機顔料に比べて粒子が大きく、吸油量が少ない。また、無機顔料に含まれる金属がシッカチフと同様に油の酸化重合を促進する働きをし、乾燥が早くなる。
これに対して有機顔料は粒子が細かいので、絵具にするためには無機顔料よりも多くの油が必要になりその分乾燥も遅い。

また、淡い色調の色は暗色と比べて乾燥が遅い。
絵具に使われている油の種類には主にリンシードオイルとポピーオイルがあるが、
・リンシード…乾燥が早い、黄変しやすい
・ポピー…乾燥が遅い、黄変しにくい
といった性質がある。
淡色は乾性油が黄変した場合に色調の変化が著しい。
そのため淡い色の絵具にはポピーオイルが使われている事が多く、その分乾燥が遅くなっている。

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