混色制限

主に油絵具で、特定の絵具同士を混合すると化学変化が起きて顔料が黒く変色してしまうこと。油絵具以外の画材では、毒性や展色剤との相性等の問題から変色を起こすような顔料が使われている事が滅多に無く、心配する必要は無い。
硫黄系の絵具と鉛系の絵具を混色すると黒色の硫化鉛が発生する。
また、硫黄系顔料と銅系顔料を混色すると黒色の硫化銅が発生する。

現代の技術で作られている絵具では、理論上では変色が起こるが実際にはほとんど起こる事は無い。黒化は絵具の中の遊離硫黄が金属と反応して発生するものだと考えられていて、遊離硫黄を除去した硫黄系絵具は銅や鉛系絵具と混合しても変色しない。硫黄系であっても混色制限の記述がなされていなかったり、(例えばマツダの油絵具のように)どの絵具同士も混色する事ができると書かれているものはこういった事情からによる。変色する事は無いが、絶対起こらないとは言い切れないので心配な人は避けた方が無難。変色を回避する為にも作品を高温多湿の場所には置かないようにしたい。

[硫黄系の主な絵具]
ウルトラマリン、コバルトブルー、カドミウム系絵具等
[鉛系の主な絵具]
シルバーホワイト等
[銅系の主な絵具]
エメラルドグリーン等