膠で溶いた岩絵具から膠を抜いて、粉の状態に戻す事。
膠で溶いた絵具はすぐに腐ってしまうので、一日の制作の終わりや余った絵具が出た時には膠抜きを行う。
絵具の入った絵皿に熱湯を注ぎ、少しかき混ぜたら岩絵具が沈殿するのを待って上澄みの湯を捨てる。これを数回繰り返す。湯か水を絵皿に入れて、電熱器で熱してもよい。
水干絵具や胡粉では顔料の粒子が細かすぎるため、膠抜きはできない。
これは熱湯を注いでも絵具が沈殿しないため。
デザインと美術の技術情報
膠で溶いた岩絵具から膠を抜いて、粉の状態に戻す事。
膠で溶いた絵具はすぐに腐ってしまうので、一日の制作の終わりや余った絵具が出た時には膠抜きを行う。
絵具の入った絵皿に熱湯を注ぎ、少しかき混ぜたら岩絵具が沈殿するのを待って上澄みの湯を捨てる。これを数回繰り返す。湯か水を絵皿に入れて、電熱器で熱してもよい。
水干絵具や胡粉では顔料の粒子が細かすぎるため、膠抜きはできない。
これは熱湯を注いでも絵具が沈殿しないため。
主にテンペラ画の下地や日本画で使われる、魚や動物の皮・骨・筋等を加水分解してつくられる糊。
デトランプやグルーテンペラにも使われる。
主成分はコラーゲンで、「ゼラチン」「サイズ」と呼ばれるものは純粋であり食用。
「グルー」と呼ばれるものは不純物を含み接着剤や媒質に使われる。
絵画で言う膠というのは、主に後者。食用ゼラチンは接着力や柔軟性の点で劣る。
一般に骨よりも皮から採ったものが耐水性に富み、また多少不純物を含む手作り膠の方が柔軟性があり絵画向き。
日本画では鹿膠や三千本膠が使われる事が多く、洋画ではウサギ膠が一般的。
防腐剤の入っていないものは腐り易いので、冷蔵庫で保管。腐った膠は接着力が落ちるので捨てる。
温度が低いとゼリー状に固まるが、湯せんで液状に戻る。
70℃を超えるとサラサラになり糊として機能しなくなるので、熱しすぎないように気をつける。
地塗りも目止めもされていないキャンバスのこと。
日本画用の和紙で、ドーサ引きをしていないもののこと。
またはキャンバスで目止めも地塗りもされていないもののこと。
重ね塗りをした際に、下の絵具の色が上に塗った絵具に溶け出してくる事。ブリード。
レーキ系の絵具の上に白を塗り重ねた場合特に起こりやすい。
画用紙・水彩紙・キャンバスにおいて目(粗さ)が中くらいのもののこと。
癖がなく使いやすい。キャンバスの中目のものはAキャンとも呼ばれる。
コミックやペン画、製図で線を引くのに使われるペン。ミリペンとも呼ばれる。
ピグマが有名で、コミック系でピグマと言うとこのペンの事を指す事もある。
「ピグメント」「耐水性」と書いてあるものは乾くと水に流れない性質があり、
更にコピック等アルコール系マーカーにも溶けないので色を塗る時の線画に使える。
様々な色や太さが揃っているので自分に合うものを探すと良い。
筆圧が強い人はペン先を潰したり割りやすいので気をつけよう。
Too、ステッドラー、ピグマ、セーラー、マクソン等から発売されている。ほとんどが150~200円。
つけペンと違い「どこにでも(※)持ち歩ける」ので便利。
(※)一部例外はある。例えばステッドラーのマルスピグメントライナーを飛行機の機内に持ち込むと、
気圧の変化でインクが漏れ出してくるので機内ではキャップを開けないように注意したい。
顔料とアラビアゴムを混ぜ合わせて作られた絵具。
「透明水彩」と呼ばれる事が多い。
ガッシュとの違いは顔料とアラビアゴムの比率の違いで、こちらの方がアラビアゴムが多くなっている。ガッシュが紙を覆い尽くすように顔料を並べるのに対し、透明水彩は顔料の密度が低く顔料と顔料の隙間が見える事によって透明感があるように見える。
水彩筆を使うのが最も一般的と言われているが、
日本画用の筆もまた適している。独特の線が引け、水彩筆に比べ含みが良い。
デザイン用の筆も使える。毛が少し硬めのものが多いので好みで使ってみると良い。
水筆も便利。
成分がほぼ一緒な事もありガッシュととても相性が良い。
色鉛筆とも相性が良いが、水彩色鉛筆やパステル色鉛筆と併用すると色が混ざるので注意。
保管は色あせを防ぐため、できるだけ光(紫外線)のあたらない所に保管する。絵具に耐水性がなく、アラビアゴムとグリセリンの影響で非常に湿気を吸いやすいので湿度の多い場所にも置かないように。表面がべたついてごみが付着したり、隣接して置いてある物に表面がくっついてしまったりする。カビも発生しやすい。
(1)色を塗った時に、下の色が透けて見えるような色のこと。
顔料の粒子がとても小さいとか、展色剤が多く含まれている等の時にこの効果が出る。
不透明色であっても薄く溶けば下の色が透けて見えるようになるが、これは透明色に含めない。
透明水彩、ガッシュを含めないアクリル絵具、油絵具に多い。
(2)GIFやPNG、ICO等の透過情報を含める事ができる形式の画像で、抜き色にする色の事。
書道や絵画で絵具や墨のにじみを調節する為に、支持体に施す工程。サイジング。
ドーサ引きの為に使われる刷毛。
ドーサ液は刷毛を傷めやすく、また明礬が絵具に混ざると良くない為に
ドーサ引き専用の刷毛が使われる。
他の刷毛と異なり柄がラッカー仕上げになっているのも特徴。
膠と明礬を溶かしてできた液体で、日本画・書道・陶芸で使用。
絵画・書道では明礬が多いほど滲み止め効果が大きくなる。
慣れれば舐める事で明礬の割合を調整できる。明礬が多いほど苦く、ちょっとぴりっとくる程度が適量。
あらかじめ膠と明礬を混ぜた瓶入りのドーサ液も売られている。
油絵具は溶き油と顔料を練り合わせて作られている。
チューブに入った油絵具はそのままで厚塗りや盛り上げのできる硬さに作られているため描く絵によってはその硬さが使いにくくなる。そこに溶き油を混ぜることで筆運びを良くし、透明感を出すことができる。
溶剤(揮発性油、ペトロールやシッカチフ)を混ぜる事でも筆運びを軽くできるが、これらは最終的に揮発してしまい絵具の固着力を弱めるため混ぜすぎてはいけない。
溶き油にはポピーオイルやリンシードオイルのように植物油(乾性油)のみのものと、植物油に樹脂や溶剤(揮発性油)、乾燥促進剤(シッカチフ)等を混ぜて使い易いようにした調合油がある。
調合油はペインティングオイル、ペンチングオイル等の名前で売られ、一般的な処方になっている。
溶剤や乾性油などの油の種類を覚える前の初心者は、それらの調合油を使うとよい。
主にストーブの燃料等で使用されるが、安価な為しばしば油彩用の筆洗油として用いられる。洗浄力も悪くはないが、純度が低く不純物により絵具に含まれる硫黄等が化学変化を起こす危険もあり、大事な筆(大事な作品を描く筆)には使わない方が無難。
ある程度描き進められた油絵の未乾燥画面に紙を貼りつけて、軽くおさえてからはがす事によって表面にある絵の具をはがすこと。塗り重ねによって画面に収拾がつかなくなってきた時、比較的安全に上の色を取り去る事ができる。新聞紙などの薄くて吸い易い紙がベストで、ティッシュやトイレットペーパーは画面に残ってしまう場合があるのでおすすめしない。
英国スレード美術学校の教授ヘンリー・トーンクスにちなんでこの名がつけられた。
家具や木製品、空き缶や小物等に絵を描いたり装飾すること。その手法。 アクリル絵具や油絵具を用いる。トールペイント用の筆など、用具は絵画と異なるものがあり様式化された模様を描き易いようにできている。
西洋古典技法の一種。元々「混ぜ合わせる」という言葉に語源をもち、糊材と絵具を混ぜ合わせて作ったことからこう呼ばれた。その為糊材には様々なものが使われたが、現代では卵を使ったものを全てまとめてテンペラと呼んでいる。
ビヒクル。顔料を広げ画面に固着させる材料のこと。
様々な種類のものがあり、この展色剤の種類によって絵具の種類が決まる。
[例]
アラビアゴム…透明水彩、不透明水彩
アクリル樹脂…アクリル絵具
乾性油…油絵具
卵…テンペラ(テンペラマグマ)
卵+油…テンペラ(テンペラグラッサ)
膠水…日本画、デトランプ
蝋…エンコウスティック
ぺトロールと並んで代表的な揮発性油。松やにを精製して作られる。ターペンタイン。
長時間空気に触れさせておくと黄変するので注意が必要。光の当たる所や温度の高い所も避けたい。
瓶の中の空気と反応して黄変することもあるので量が少なくなってきたら小さな瓶に入れて使う。
黄変(樹脂化)すると完全に揮発しなくなり、べたつきが残る。これの主成分のみを抽出したものがα-ピネン。
粗描き、おつゆ描きの別名。
大抵は単色で行われる為この名(死んだ色)と呼ばれるようになるのだが、
多色で粗描きをしたり粗描きの色彩を生かして描き進める事もある。
多色描きのメリット…
・遠景、中景、近景や、物ごとに色を変える事で複雑な画面がわかりやすくなる。
・その上に透明色をのせる場合より複雑な効果が得られる
等。