インプリマトゥーラ

地塗に使った白がきつすぎて絵を描きにくい時や、地の色を生かして制作をする時などに画面全体に色をかけること。
下塗り。一般的な白色の下地の上に色をかけるものと、直接有色下地を作る場合の2種類がある。
16~18世紀には暗褐色、灰色などでインプリマトゥーラを施すことが主流だった。

インパスト

絵具を厚塗りしたり、盛り上げて塗ること。
油絵具等そのままで厚塗りができるものはチューブから出したまま使う。
水彩ではインパストメディウム等のメディウム類を使うと簡単に盛り上げる事ができる。
日本画の場合は腐れ胡粉や盛り上げ胡粉、盛上を使う。

インスタントレタリング

通称インレタ。トランスファー・レタリングの商品名。
透明シートに文字や記号が印刷されたもので、紙の上に乗せて上からこする事で文字や記号を紙に転写する事ができるもののこと。MDが普及していなかった頃カセットテープを買うとついてきた。
パソコン・ワープロが一般に普及するまでは手軽に活字を得る手段だった。

岩絵具

日本画で使われる絵具で、鉱石を砕いて砂状にしたもの。

天然鉱石を砕いて作られた天然岩絵具の他に、
・人工的に着色されたガラス(金属酸化物+ガラス原料)を砕いて作られた新岩絵具
・水晶末などの粒子に色を吹き付けた合成岩絵具、
・天然と同じ組成だが合成してつくられる準天然岩絵具
がある。

絵具の粒子の大きさに応じて番号がつけられており、1番が最も粗く数字が大きくなるにつれて粒子が細かくなる。最も細かいものは白(びゃく)と呼ばれる。
白になると名前が変わる絵具もあるので気をつけたい(例えば、緑青は白になると「緑青の白」ではなく「白緑」と呼ぶ。群青も同様に白群と呼ぶ)。

岩絵具も新岩絵具も同じ色の鉱石を砕いて作られるため、同じ色名でも粒子が細かくなればなるほど色調は白っぽくなる。
例外は合成岩絵具で、元々粒子状のものに色を吹き付けて作られる為に粒子の細かい絵具でも暗く濃い色調のものがある。

岩絵具は粒子の隙間から下地の色が見えるため重色による表現が重要。
特に天然にこだわる場合混色の制限や粒子の大きさによる色調の制限があり思い通りの色を出すのは難しい。

天然の岩絵具はフライパンで炒ると色調が暗くなる。
あらかじめ焼いた状態で売られている絵具は「焼(色名)」。

一両目(15g)単位で売られている。

色鉛筆

芯が着色された鉛筆のこと。油性色鉛筆と水彩色鉛筆、パステル色鉛筆、全芯色鉛筆、ダーマトグラフに大別される。一般にただ「色鉛筆」と表記した場合油性色鉛筆の事を指す。

イルフォクローム

カラープリントの技法。
チバクローム、シバクロームとも呼ばれる。
銀染料漂白法と呼ばれる技法で、プリントの過程で不要なインクを抜き、正確に色を残していく技法。
通常の発色現像法に対し、銀染料漂白法は元々ある色彩の中で不必要な色彩のみを除く方法の為耐光性があり、
上から更に着彩することが可能。

板目木版

木版画の一種。
浮世絵など日本に古くからある版画はこの板目木版に分類される。
木を縦に切って作った板を使用するため、板の目によって彫りやすい方向と彫りにくい方向がある。
小学校の図工・中学校の美術で木版画と言えばこれのこと。

イーゼル

画架。絵を描く時にキャンバスやパネルを立てかけるために使うもの。

油彩用やデッサンで使用する木製のものや、アトリエで使用する為の大型なもの、キャビネットつきのイーゼル等、多様な種類がある。屋外スケッチ向けの折りたたみイーゼルでは様々な形や素材のものがあり、畳んだ時の大きさによっても幅広い種類のもおがある。また、たらしこみやドリッピングのようなイーゼル使用に適さない技法にも対応するために画面を水平位置で固定できるイーゼルも日本画や水彩向けに販売されている。

イーゼルには、タグや取り扱い説明書に何号まで、又は何kgまでの絵を置けるという注意書きがしてある。この重量や号数を超えるとバランスが取れなくなり、落下や破損といった事故を起こしやすいので気をつける。

イーゼルの足の間でぶら下げる布製の小物入れも市販されている。これをつける事によってイーゼルの重心が下になり、風や横からの衝撃にも多少倒れにくくなる。折り畳みイーゼルでは少し力を入れて描いてもイーゼルが動いてしまう事があるので、こういったものを利用して安定させたい。屋外の場合は手ごろな石で足を固めたり、土に埋めてしまってもいい。

アンティーキング

絵や物に古びたような汚れをつけること。トールペイントで良く行われる。
アンティーキングメディウム等のアンティーキング専用メディウムもある。

アルキド絵具

アルキド樹脂を糊材として用いた絵具。油性なのでテレピンやペトロールで希釈し、油絵具と併用・混色することができる。乾燥が早く光沢があり、発色が鮮やか。固着力が強く、屋外での塗装や印刷インクにも使われる。

アラプリマ

イタリア語。直描技法。プリマ描き。
カマイユの上に薄く透明色をグレーズ(グラッシ)して仕上げる古典的な技法とは異なり、明確な下地をおかずにいきなり色をおいていく。
印象派以降頻繁に使われるようになった描き方で、筆のタッチや盛り上げ(インパスト)も使われた。

荒目

画用紙・水彩紙において紙の目が粗いもののこと。
キャンバスで目が粗いもののこと。キャンバスで荒目のものはBキャンとも呼ばれる。