イルフォクローム

カラープリントの技法。
チバクローム、シバクロームとも呼ばれる。
銀染料漂白法と呼ばれる技法で、プリントの過程で不要なインクを抜き、正確に色を残していく技法。
通常の発色現像法に対し、銀染料漂白法は元々ある色彩の中で不必要な色彩のみを除く方法の為耐光性があり、
上から更に着彩することが可能。

板目木版

木版画の一種。
浮世絵など日本に古くからある版画はこの板目木版に分類される。
木を縦に切って作った板を使用するため、板の目によって彫りやすい方向と彫りにくい方向がある。
小学校の図工・中学校の美術で木版画と言えばこれのこと。

イーゼル

画架。絵を描く時にキャンバスやパネルを立てかけるために使うもの。

油彩用やデッサンで使用する木製のものや、アトリエで使用する為の大型なもの、キャビネットつきのイーゼル等、多様な種類がある。屋外スケッチ向けの折りたたみイーゼルでは様々な形や素材のものがあり、畳んだ時の大きさによっても幅広い種類のもおがある。また、たらしこみやドリッピングのようなイーゼル使用に適さない技法にも対応するために画面を水平位置で固定できるイーゼルも日本画や水彩向けに販売されている。

イーゼルには、タグや取り扱い説明書に何号まで、又は何kgまでの絵を置けるという注意書きがしてある。この重量や号数を超えるとバランスが取れなくなり、落下や破損といった事故を起こしやすいので気をつける。

イーゼルの足の間でぶら下げる布製の小物入れも市販されている。これをつける事によってイーゼルの重心が下になり、風や横からの衝撃にも多少倒れにくくなる。折り畳みイーゼルでは少し力を入れて描いてもイーゼルが動いてしまう事があるので、こういったものを利用して安定させたい。屋外の場合は手ごろな石で足を固めたり、土に埋めてしまってもいい。

アンティーキング

絵や物に古びたような汚れをつけること。トールペイントで良く行われる。
アンティーキングメディウム等のアンティーキング専用メディウムもある。

アルキド絵具

アルキド樹脂を糊材として用いた絵具。油性なのでテレピンやペトロールで希釈し、油絵具と併用・混色することができる。乾燥が早く光沢があり、発色が鮮やか。固着力が強く、屋外での塗装や印刷インクにも使われる。

アラプリマ

イタリア語。直描技法。プリマ描き。
カマイユの上に薄く透明色をグレーズ(グラッシ)して仕上げる古典的な技法とは異なり、明確な下地をおかずにいきなり色をおいていく。
印象派以降頻繁に使われるようになった描き方で、筆のタッチや盛り上げ(インパスト)も使われた。

荒目

画用紙・水彩紙において紙の目が粗いもののこと。
キャンバスで目が粗いもののこと。キャンバスで荒目のものはBキャンとも呼ばれる。

粗描き

油彩画において、描き始めの段階で揮発性油を多く用いて(又は揮発性油のみで)アタリをとったり雰囲気を掴む為に描くこと。
おつゆ描き。

油壷

油彩画を描く際に、使用する画用液を瓶から移して使えるように入れておく為の小さな壷。
パレットに固定してとめておけるようにクリップのような形になっている。

油絵具

顔料をポピーオイルやリンシードオイルなどで練った絵具。
油分が化学変化により高分子化(酸化重合)する事によって乾燥し、堅牢な皮膜をつくる。
乾燥には時間がかかるがその分ゆっくりと描く事ができる。
荒々しいタッチを出したり、深みのある色を出したり、メディウムを混ぜたりコラージュをしたり様々な技法がある。
自分で画用液を作る事もでき非常に奥の深い絵具である。
最近は一日で乾く油絵具や、水で描く事ができる油絵具も売られている。

アプリケーター

トールペイントや陶芸・ガラスの絵付けで使われるクラフト系の筆。
先端が丸いスポンジのチップになっていて、アイシャドウ用のアプリケーターに良く似ている(化粧用に比べると柄が長い)。
柔らかい表現やステンシルに向く。
刷毛やスポンジに分類されている事もある。

当て木

板に絵を描く場合、板の歪みを防ぐ為に角材をはること。桟張り。
板の裏に十字に当てるようにする。

アスピックオイル

ラベンダーオイル。スパイクオイル。スパイクラベンダーオイル。アロマテラピー等に用いられるラベンダーとは種類の違うラベンダー(スパイクラベンダー)からつくられている。乾燥が遅く、樹脂化するのでべたつきが残る。