ハコ組み

書籍やポスター等で使われる複数行のテキストで、一行の左右が合うように組むこと。均等割付。
文字数の少ない行は文字の間隔を空けたり、文字数の多い行では字間を詰めて文頭と改行位置を合わせる。

百叩き

日本画で胡粉を練る時に、叩いて膠と胡粉をなじませること。

胡粉を乳鉢ですった後、膠を加えて団子状にした胡粉(胡粉団子)を絵皿に向かって叩き付け、膠と胡粉をしっかりと馴染ませる。ぱん、というかぱちん、というか、上手い人は響くようなイイ音がする。叩きつける回数は厳密に100回でなくとも構わないが、100回くらい叩くといい。団子の表面が照りを帯びるようになってくると馴染み度合いも膠の量も丁度良く、いい色の胡粉になる(飛切胡粉の場合。白鳳はそうでもなく、花胡粉に至ってはつやっぽく見えるようになった事が無い。胡粉の性質にもよるものと思われる。飛切は高価でも明らかに他の胡粉とは違う感じがする)。

大き目の絵皿を使った方がやり易い。
小さい絵皿だと勢いで落としてしまい、汚れがついて折角の白さが台無しになってしまう事もあるし、薄い絵皿だと勢い余って割ってしまう事がある(厚く大きな絵皿でも割れる時は割れるけど)。是非絵皿を割る程のイイ音で叩いていただきたい。

粉末膠

膠の一種。三千本膠を砕いたもので、ふやかす必要が無いので便利。
粒膠と似ているが、原材料に違いがある(粒膠は魚由来、三千本膠は牛由来)。

不透明水彩絵具

ガッシュ、グワッシュと表記されることも多い。
小学校や幼稚園でも使われる為多くの人に馴染みのある画材。
透明水彩と同じく顔料とアラビアゴムでできている絵具だが、透明水彩と比べ顔料粒子が大きく光を乱反射する為マットでムラの少ない質感になる。また透明水彩より顔料濃度が高く、顔料が紙を覆いつくす為不透明な塗りつぶしができる。
不透明さの利点は主に塗り重ねても下の色の影響を受けにくい事。但しアクリル絵具と異なり乾燥後も再び水で溶けるので、塗り方や状況によっては下の色が出る事もある(具体的には下色が完全に乾燥していない場合や強くこすって塗った場合など)。

ポスターカラー等もこの仲間。
不透明水彩は大別してガッシュ(一般に絵画用途)とポスターカラー(一般にデザイン用途)に分けられるが、不透明水彩=ガッシュと呼ぶ事も多いので混同に注意。

ポピーオイル

ケシの実からとった油の事で、リンシードオイルと並んで油彩画で使われる代表的な乾性油の一つ。
ほぼ無色でほどんど黄変しないが、乾燥が遅く亀裂がおこりやすい。

没線

中国の画家徐煕によって始められた東洋画の技法の一つで、輪郭線を描かずに描くもの。花鳥画に多く用いられ柔らかく軽い表現ができる。没骨と呼ばれる事が多い。 没骨筆(付立筆)を使用する。

ポスターカラー

不透明水彩絵具の1種。
デザインやポスター等の印刷時にインクの色と相性が良く鮮やかな発色をするように作られている為、絵画用の不透明水彩と比べると耐久性に欠け色あせし易い。ぼかしやにじみを生かした表現をする事もできるが、平塗りで最も鮮やかな発色をする。

墨汁

墨をすった液体。墨液。
あらかじめ液体の状態で売られている墨には、糊材に合成糊材を使ったものと膠を使ったものの2種類がある。どちらにも防腐剤や香料が混ぜてある事が多く、固形墨とは全く違う原料でできている。

墨汁は昔から漫画・コミックイラストでのペン入れに使われてきた。
黒色がとても濃く、印刷にきれいに出る事、どこでも手に入る事から人気がある。
ただ乾きが遅く、乾燥を待つ間に指で擦ってしまいやすいのと墨汁である為悪くなり易いこと、
耐水性でないので色をつける際に線がにじんでしまう事など、どちらかと言えば玄人向け。

棒絵具

日本画で使われる、顔料と糊材を練り合わせて棒状にしたもの。
墨のようにすって使うが、硯は使わずに水をつけた指でこすって使う事が多い。

細目

画用紙・水彩紙・キャンバスで目(表面の粗さ)が細かいもののこと。
細密画・ボタニカルアートなど、細かい描写をするのに適している。
目が細かすぎたりつるつるしていると、パステルや鉛筆、クレヨン等の粉っぽい色材がのりにくい。
キャンバスで細目のものはFキャンとも呼ばれる。

ホールパン

固形水彩絵具の一種で、パンの中で最も大きなもの。
これの半分の大きさのものがホールパン、それを更に半分にした大きさのものがクオーターパンと呼ばれる。

ペン先

主に漫画やコミックイラストでペン入れに使われる道具。
ペン軸と組み合わせて使用。
Gペン、スクールペン、サジペン(カブラペン)、丸ペンなどの種類がある。
ゼブラ、日光、タチカワが主なメーカー。海外メーカーではドイツのブラウゼ等もある。
ペンの種類によっても描き味に違いが出るが、メーカーによっても特徴が違う。
ゼブラ、タチカワ、日光の順に柔かい(柔らかいと少しの筆圧でも強弱のある線が引ける)。
5本、12本(1ダース)、144本(1グロス)単位で売られている事が多い。
たまに「ハズレ」等と呼ばれる少々形の曲がった不良品が混じっている事があり、無理に使おうとするとペン軸を傷つけたりおかしな線が引けるので無理に使わないようにしたい。
ペン先がつぶれてきたら捨てて新しいペン先を使う。

ペン軸

主に漫画やコミックイラストでペン入れに使われる道具。
ペン先(各種)と組み合わせて使用。
木製、金属製、長さも様々なものがあるので自分に合ったものを探すと良いが、木製のものは自分で削って形を変えられるので自分で持ち易い形に変えてしまうのも良い。
丸ペン用の軸と、それ以外のペン先用の軸があるので購入の際には注意したい。両用の軸もある。
日光とタチカワの丸ペンは大きさが似ているので日光とタチカワ、どちらのペン軸でも使える。ゼブラの丸ペンはゼブラの軸しか使えないので注意が必要。
また、ブラウゼ等海外メーカーのペン先は日本メーカーの軸に合わない場合もあるので普段と違うペン先を使う場合は一度入るかどうか試してから購入したい。
ペン先の個体差もあるので一概には言えないが、ペン先とペン軸が同じメーカーであればとりあえず安心。

ペン入れ

漫画・コミックイラストで鉛筆による下書きをペン(つけペン、ミリペン、 ロットリング、HITEC-C等)でなぞり、線をはっきりさせ印刷やコピーの際にくっきり出るようにすること。絵に限らず、枠線や書き文字をなぞる事もペン入れと呼ばれる。

ペトロール

鉱物性の揮発性油。
以下、テレピンとの比較

・完全に揮発し、黄ばみの心配もない。
・溶解力が低いので、樹脂を完全に溶かしきれない場合がある。
・テレピンよりもゆっくりと揮発する。

ペインティングオイル

画用液の一種。ペンチングオイル。乾性油、揮発性油を混ぜ合わせたもので、それにシッカチフやワニスが入る場合もある。自分でそれらの配合を考えて混ぜ合わせる必要が無く、用途に合わせて異なる瓶の画用液を使えば良いので扱い易く初心者向け。

ペーパーパレット

紙製のパレット。使い捨てパレット。
厚紙の上に耐水・耐油の紙を重ねてのりづけしたもの。
使った後は一番上の一枚をはがすと下にある紙を使えるようになる。
油彩やアクリルでは手入れの手間が省けるので便利。

ペーパーセメント

主にデザインの作業で紙を貼り付けるのに使う糊。普通の糊とは異なり、ソルベント(溶剤)を使用するので紙が波打つ事無く貼る事ができる。また、ソルベントを用いて紙を傷めずに剥がして、貼り直す事も可能。はみ出した部分はラバークリーナーを用いて除去する事ができる。濃度が濃く使いにくい場合はソルベントで薄めて使うとよい。
[ペーパーセメントの種類]
○両面塗り
接着する紙の両側にペーパーセメントを塗布して接着する。
○片面塗り
接着する紙の片側にペーパーセメントを塗布して接着する。
○写植用
写植用印画紙に適したもの。樹脂加工してあるものでもめくれたりはがれたりしない。