トーンキング

ある程度描き進められた油絵の未乾燥画面に紙を貼りつけて、軽くおさえてからはがす事によって表面にある絵の具をはがすこと。塗り重ねによって画面に収拾がつかなくなってきた時、比較的安全に上の色を取り去る事ができる。新聞紙などの薄くて吸い易い紙がベストで、ティッシュやトイレットペーパーは画面に残ってしまう場合があるのでおすすめしない。
英国スレード美術学校の教授ヘンリー・トーンクスにちなんでこの名がつけられた。

トールペイント

家具や木製品、空き缶や小物等に絵を描いたり装飾すること。その手法。 アクリル絵具や油絵具を用いる。トールペイント用の筆など、用具は絵画と異なるものがあり様式化された模様を描き易いようにできている。

テンペラ

西洋古典技法の一種。元々「混ぜ合わせる」という言葉に語源をもち、糊材と絵具を混ぜ合わせて作ったことからこう呼ばれた。その為糊材には様々なものが使われたが、現代では卵を使ったものを全てまとめてテンペラと呼んでいる。

展色剤

ビヒクル。顔料を広げ画面に固着させる材料のこと。
様々な種類のものがあり、この展色剤の種類によって絵具の種類が決まる。
[例]
アラビアゴム…透明水彩、不透明水彩
アクリル樹脂…アクリル絵具
乾性油…油絵具
卵…テンペラ(テンペラマグマ)
卵+油…テンペラ(テンペラグラッサ)
膠水…日本画、デトランプ
蝋…エンコウスティック

テレピン

ぺトロールと並んで代表的な揮発性油。松やにを精製して作られる。ターペンタイン。
長時間空気に触れさせておくと黄変するので注意が必要。光の当たる所や温度の高い所も避けたい。
瓶の中の空気と反応して黄変することもあるので量が少なくなってきたら小さな瓶に入れて使う。
黄変(樹脂化)すると完全に揮発しなくなり、べたつきが残る。これの主成分のみを抽出したものがα-ピネン。

デッド・カラー・ペインティング

粗描き、おつゆ描きの別名。
大抵は単色で行われる為この名(死んだ色)と呼ばれるようになるのだが、
多色で粗描きをしたり粗描きの色彩を生かして描き進める事もある。
多色描きのメリット…
・遠景、中景、近景や、物ごとに色を変える事で複雑な画面がわかりやすくなる。
・その上に透明色をのせる場合より複雑な効果が得られる
等。

デッサンスケール

通称デスケル。
デッサンや絵の構図を決めたりバランスを取ったり中心の線を決めるのに使われるが、
あまりこれに頼りすぎると逆に狂った絵になってしまう事が多いのであくまで補助的に使いたい。
大抵プラスチック製で中心の線が引かれた窓がついておりそこを通してモチーフを見る。
腕が曲がっていたり少しでも角度が違うと全く違う見え方をするので、基準を決めて真っ直ぐ腕を伸ばして使う。
縦横の比率は描く紙によって異なるのできちんと紙の規格に合ったデスケルを使おう。
B版、木炭紙版、FPSM版(キャンバスのF、P、S、Mは1枚のデスケルで見る事ができる)が市販されている。

粒膠

膠の一種。スズキ科のニベという魚からとれる。
純度が高く腐りにくく、また接着力が強い。
ウサギ膠とこの粒膠は膨張させずに使う事ができるので便利。
ただし粗悪品が多く出回っているのでその点注意する必要がある。

別名パール膠。

つけペン

漫画で良く使われるペン。元々は英字筆記用のものが多かった。
木やプラスチックでできたペン軸に金属製のペン先を差し込んで、インクや墨汁をつけて書くペン。

付立筆

付立という技法に使われる筆の総称。

付立技法とは、日本画の技法で筆に含ませる墨、絵具、水の加減で一つの筆の中で濃淡をつけて描く描法。
筆をねかせて筆の腹を使って描くので、それに適した付立筆を必要とする。
付立の技法は円山派・四条派などの花鳥画に多く見られる。

茶墨

油煙墨の別名。油煙墨は茶色みを帯びた黒色であることからこう呼ばれる。詳しくは油煙墨の項を参照。

直刻法

版画において直接彫り版を作る方法のこと。直接法ともいう。木版画や銅板のエングレーヴィング、ドライポイント、マニエール・ノワール等がこれ。消しゴム版画も直刻法になる。

これに対して、薬剤で板を腐食させて凹凸をつくり版にする方法を間接法(腐食法)という。

長流筆

毛筆のふくらみを生かして使う為、穂先が揃って腰のあるつくりになっている。
水墨画の線描きに良く使われる筆。

ダーマトグラフ

色鉛筆の一種。元々は医療用で皮膚に印をつけるために使われた。
元々は三菱鉛筆の登録商標だが、一般名詞としても使われるのでこの呼び方を採用する。
多くは紙巻き式の色鉛筆で、平滑な面にも書ける事、芯が柔らかい為に書いた物を傷つけにくい事が特徴。