グラッフィート

スグラフィート。ズグラッフィト。スクラッチ。ひっかき。
何層かに重ねた絵の具の上から、先の尖ったものでひっかく事によって一番下の絵の具の色を見せる技法。
油絵やアクリルでも行われる技法だが、良く幼稚園や小学校でクレヨンを使ってやるので馴染みのある人も多いはず。

具墨

日本画で胡粉に墨を加えたもののこと。

胡粉に水干絵具を加えたものとまとめて「具のもの」と呼ばれ、胡粉と混ぜる事のできるものなら何でも具になる。

腐れ胡粉

膠を足し団子の状態にした胡粉を容器に入れて、土中(胡粉塚)に埋め膠を腐らせた胡粉の事。
普通の胡粉に比べて接着力が上がり、盛り上げし易くひび割れなくなる。

クォーターパン

固形水彩絵具の一種で、絵具を練り固めたものをパンと呼ぶ。
パンの中で最も小さいのがクオーターパンで、ホールパンの半分の半分。ハーフパンの半分の大きさ。

空気遠近法

遠近法の一種。
遠くのものを淡く、ぼやけた様子で描いたり、青みがかった様子で表現する事によって遠近感を表現する。

銀箔

銀を薄く延ばして作った箔。
時間が経つと銀が酸化して黒く変化する。
使用する段階から黒く変化させたい場合は硫黄に触れさせると黒く変化させる事ができ、そうやって銀を酸化させる事を「銀を焼く」という。真っ黒にしたい場合は六一〇ハップ(硫黄を含む入浴剤)を原液のままかけると早い。軽く焼くだけの場合は必要に応じて薄めて使う。にきび用の化粧水・石鹸等で硫黄が含まれているものも使え、こちらは穏やかな焼き加減で失敗が少ない。

金箔

金を薄く延ばして作った箔の一種。金箔に使われている金属はどれも純金ではなく、純金に銀を加えて性質を変えた後に色味を戻す為の銅をごく少量加えて作られています。合金率(どれだけ金を含んでいるか)の違いにより色合いや性質が異なり、一般的には合金率の高い順に五毛色、1号、2号、3号、4号、青金箔、水金箔と呼ばれています。更に五毛色~4号色までの金箔を(金の量が多く青金箔や水金箔に比べて赤く見えることから)赤金箔と呼びます。

マニエール・ノワール

銅版画の技法の一種。仏語。直訳すると黒の様式、黒の技法。
ベルソー(仏語。berceau。英語ではrocker)を使って振るように銅板に細かな傷を刻み、目立てをする。すると銅板は細かくささくれ立ったようになり、その部分を刷ると非常に豊かな黒色に仕上がる。また、ベルソーをかけた面を押さえる事で凹凸を慣らして微妙な明暗を作り出す事ができる。写真の登場により一度は忘れられた技法だが、長谷川潔が解明、復活させた。

木枠

キャンバスを張る為に使う木でできた枠の事。キャンバス地をタックスでこの枠に固定して使う。大抵の木枠は四本の角材に分解できるようになっているが、安価な既製張りキャンバスに使われている木枠は分解できない事もある。

霧吹き

絵画でフィキサチフやワニスを均一に塗布するための道具。または、粘土やアクリル絵具を使用する際に水分を補給する為使うもの。

絵画の場合は2本の金属筒から成るL型霧吹きも良く使われる。筒をL字型に開いたら、細い方の筒をワニスやフィキサの入った瓶に入れ、太い方の筒に息を吹き込んで使う。少し傾けて(前傾姿勢になって)吹くのがコツ。

水分補給の為に使う霧吹きは園芸用の普通のものを使う事が多い。

キャンバス

主に油絵具・アクリル等で使われる画布のこと。 カンバス。麻が一般的ではあるが、綿や合成繊維のものもある。 張りキャンバス・生キャンバスの事もまとめてキャンバスと呼ぶ。また、地塗りだけ済ませて木枠に張っていないものもこう呼ぶ。転じて、描画領域という意味で使われる事もある。 (例:紙やCGの場合でも描画領域を指してキャンバスと呼ぶ)

揮発性油

揮発油。溶剤。
鉱物性のものではペトロール、植物性ではテレピン(ターペンタイン)が代表的。
これらの油は最終的に画面上には残らず揮発する。

油彩で筆の運びを軽くしたり、おつゆ描きで使用するが、混ぜすぎると絵具の固着力を弱めるので使いすぎに注意する。

オイルパステルや油性色鉛筆でも上からこすりつけることによりぼかしの効果が得られる(透明水彩と油彩の中間のような効果を出すことができる)。

また、油絵具が服などについてしまった場合、揮発性油をしみこませた布でたたき出すことで応急処置ができる。
ひどい汚れは落ちきらないため、その後リムーバー(ストリッパー)で更に汚れを落とした後にクリーニング店に持ち込む。

揮発性油は原料によりさまざまな種類があり、ペトロール、テレピン、ターペンタイン、アルファ(α)ピネン、ラベンダーオイル(スパイクオイル、アスピックオイル、スパイクラベンダーオイル)などがある。

菊皿

絵皿の一種で、菊の花に似た形に仕切りが入っている。
梅皿よりも深くなく、仕切りの数も多い。

キアロスクーロ

明暗技法。明暗対比。
重要な部分にスポットライトを当てたりコントラストによって劇的な効果を出す。
主にレンブラントやカラヴァッジオのような暗めの中に光が当たるような作家の作品に対して使われる。
イタリア語でchiaro(明るい)oscuro(暗い)。

顔料

ピグメント。色のついた細かい粉で、水にも油にも溶けない性質を持つ。
この粉を展色剤(ビヒクル)で練り合わせる事によって絵具ができる。原料によって、無機顔料、有機顔料、土性顔料、体質顔料に分類される。