被覆力

絵具が下の色をどれだけ隠すかを示したもの。被覆力が高ければ高いほど下にある色を覆い隠す。例えば透明水彩では被覆力はほとんどないが、ガッシュでは被覆力が高い。

ひっかき

スグラフィート。ズグラッフィト。スクラッチ。グラッフィート。
何層かに重ねた絵の具の上から、先の尖ったものでひっかく事によって一番下の絵の具の色を見せる技法。
油絵やアクリルでも行われる技法だが、良く幼稚園や小学校でクレヨンを使ってやるので馴染みのある人も多いはず。

ピグメント

顔料。色のついた細かい粉で、水にも油にも溶けない性質を持つ。この粉を展色剤(ビヒクル)で練り合わせる事によって絵具ができる。原料によって、無機顔料、有機顔料、土性顔料、体質顔料に分類される。

謄写版

とうしゃばんと読む。孔版の一種で、ガリ版印刷のこと。
ロウ紙をやすりの上に置いて、ロウ紙の上から鉄筆で文字や図を描くとやすりの凹凸によってロウ紙に細かな穴が開く。その穴をインクが通る事によって印刷ができるしくみ。
1893年頃にエジソンが発明、その後改良が重ねられて現在に至る。昭和の終わり頃までは小学校のプリント印刷に良く使われた。

合羽版

孔版の一種で、ステンシルのこと。
日本に古くからあるステンシルでは、薄手の美濃紙を5,6枚貼り合わせ、それを切り抜いたものを版として使用する。

バー

英語。ドライポイントで、刻描した時に線のふちにできる小さなめくれの事。
刷るとそこの部分にインクがひっかかり、独特の美しい効果が現れる。
ニードルを進める角度により大きさ、線の片側にできるか両側にできるか、等が全く違ってしまう為思い通りにバーを作り出すのは難しい。

版画

版にインクをつけて紙に刷った絵のこと。同じ絵が何枚もできる。
凸版・凹版・平版・孔版といった版の種類をはじめ素材・技法によって様々な種類があり、インクの種類や技法も多彩。

パレット

絵具を使い易いように出しておくための板状の道具。用途に応じて様々な種類がある。水彩、油彩、アクリルで使えるパレットにペーパーパレットがあり、使う度に一番上の一枚をめくりとって使えるので、油彩やアクリルでも片付けの手間がかからない。

透明水彩用…
安価なものや学童用ではプラスチック製がほとんどだが、専門家用のものはアルミや陶器製。小さい仕切りにチューブから出した絵具を入れて、広い部分で混色する。手入れは特に必要無い(一度も洗わない人もいる)。色が混ざって気になるようであれば広い部分のみを洗う。水を含ませた筆で汚れた部分をなぞって、ティッシュやぼろ布に吸わせるとよい。小さい仕切りに入れた絵の具はそのまま乾かしておけば次回もまた使う事ができる。

油彩用…
最もオーソドックスなパレットは、木製で雲形の一枚板に親指を入れる穴がついているもの。一般的に油彩のパレットは平らな板だが、グラッシ用にくぼみのついているものもある。買ったばかりの木製パレットは木地に絵具がしみこまないように、リンシードオイル等の 乾性油をぬってしばらくおいておくと長持ちする。 油絵具はこびりつくととれなくなるので、すぐに使わない(パレットにある色が指触乾燥するまで使わない)場合は 揮発性油を含ませたぼろ布やペーパータオルできれいに拭いて、リンシードオイル等の乾性油を塗っておく。丁寧に手入れされた木製パレットは使い込むにつれて味が出る。

アクリル絵具用…
プラスチック製のものが多い。形は水彩パレットのような形のもの、油彩パレットのようなもの、絵皿をつなげたような形のものなど多様。油彩的な描き方をするなら油彩型、水彩風なら水彩型、メディウムを多様するなら絵皿型…というように、自分の用途に合わせて使い易いものを使う。共通しているのは材質で、乾燥したアクリル絵具をはがすことができるものや有機溶剤に強いものが選ばれている。固まってしまった絵具はパレットごと水につけておけばはがしやすくなる。透明なアクリル絵の具(リキテックス、ゴールデン、アクリラ等)はぺりっとはがす事ができるが、不透明なもの(アクリルガッシュ、リキテックスガッシュ、アクリラガッシュ等)は剥がしにくいので早めに洗いたい。アクリル絵具の乾燥を防ぐ為に水を含んだシートを利用したパレット(ステイウェットパレット)もある。

パネル

木製。水張りパネル。ベニヤ板に補強のための角材を接着剤でつけたもの。
キャンバスの大きさやA列、B列、木炭紙等の紙の大きさに合わせて様々な種類がある。
板そのままのものを使うよりも軽量で安価。
紙を水張りするのに使われたり、これに直接絵を描いたりする。