シッカチフ

画用液の一種。乾燥促進剤。乾性油の酸化重合(乾燥)を早める為に用いる。混ぜすぎると急速に乾燥し縮みやシワの原因になる事があるので注意する。コバルト、マンガン、鉛等の金属塩を主成分としていて、これらは酸化重合に必要な酸素を運ぶ働きを持つ。主成分とする金属塩によってその働きも異なる。

○コバルト系シッカチフ
・色調を暗くするので淡い色では使わない方が良い。
・表面を早く乾燥させる。

○マンガン系シッカチフ
・色調を暗くするので淡い色では使わない方が良い。

○鉛系シッカチフ
・絵具の中で徐々に乾燥を進める。

シッカチフは液状のものが多いが、絵具の粘度を下げないようにチューブに入ったパートシッカチフもある。

下塗り

絵を描く前に、地塗りの上から色を塗ったり有色の下地を作っておくこと。色のついた下地ができることにより色彩的な効果を狙ったり、多少のむらを作ることで描きだしやすくなる。インプリマトゥーラ。

下書き

本画に入る前のメモ書き、デッサン、エスキース、エチュード、習作。
又は彩色する前の線描きやデッサン、おつゆ描きのこと。

桟張り

板に絵を描く場合、板の歪みを防ぐ為に角材をはること。当て木。
板の裏に十字に当てるようにする。

三千本膠

膠の一種。比較的安価で手に入りやすく主に日本画で使われている棒状の膠。(飛散防止の為)袋に入れてペンチ等で細かく切るか、タオルに包んで折った後に膠鍋で湯せんして使用する。使用する前の晩から水に浸しておくと簡単に溶ける。防腐剤が入っていなく腐り易いので冷蔵庫で保管し数日で使い切ること。他の膠に比べると粘着力は弱め。洋画にはあまり向かない。

サンシックンドオイル

乾性油を水と混ぜて(同じ容器に入れて、水と油が分離している状態で)日光に晒して酸化させた油。
乾性油はリンシードオイルかその加工品を使う事が多いが、ポピーオイルを使う事もある。
乾きがよく、そのままの油よりも粘度が出る。

擦筆

紙を巻いて棒状にしたもので、デッサン、鉛筆画、パステル画等で色をぼかすのに使われる。
先端が汚れたり、形が変わって使いにくくなってきたらカッターや擦筆の太さに合う鉛筆削りで削って使う。

サジペン

ペン先の一種。Gペンよりも強弱が出にくく、スクールペンよりも太い線を引ける。元々は英字用だが、日本では日本語の文字を書き易いようにニュームが主流。 スプーンペン、カブラペン、たまペン。

クレパス

1925年 日本クレイヨン協会(現サクラクレパス)が発明。
専門家用として開発されたが、取り扱いの簡単さと安価さで学童用として普及。

第二次世界大戦後に安価に手に入る画材として注目され、専門家にも使われるようになった。

アルキド樹脂

多価アルコールとフタル酸と脂肪酸を化学反応させて作られる合成樹脂。
合成樹脂だが、原料に天然油脂(脂肪酸は植物油に含まれる)を使用する。

酢酸ビニル

略して酢ビ(サクビ)。
アクリル絵具普及以前、ポリ酢酸ビニルエマルションを使用した安価で接着力の強い合成樹脂系絵具があったが、黄変が大きく主にポスターや映画の看板に使われていた。

コンプレッサー

エアブラシで用いる、ハンドピースに空気を送り込む道具。モーターを用いたものボンベ式のものの2種類がある。

電動式…モーターを使って空気を圧縮するもの。長期使用するのであればボンベ式のものよりも経済的。加圧能力に差があるのでよく一定時間ごとに休ませる必要がある。
ボンベ式…スプレー缶のような形をしていて、中に圧縮空気が入っている。手軽にどこでも使えるが、長時間使用するのには向かない。

混色制限

主に油絵具で、特定の絵具同士を混合すると化学変化が起きて顔料が黒く変色してしまうこと。油絵具以外の画材では、毒性や展色剤との相性等の問題から変色を起こすような顔料が使われている事が滅多に無く、心配する必要は無い。
硫黄系の絵具と鉛系の絵具を混色すると黒色の硫化鉛が発生する。
また、硫黄系顔料と銅系顔料を混色すると黒色の硫化銅が発生する。

現代の技術で作られている絵具では、理論上では変色が起こるが実際にはほとんど起こる事は無い。黒化は絵具の中の遊離硫黄が金属と反応して発生するものだと考えられていて、遊離硫黄を除去した硫黄系絵具は銅や鉛系絵具と混合しても変色しない。硫黄系であっても混色制限の記述がなされていなかったり、(例えばマツダの油絵具のように)どの絵具同士も混色する事ができると書かれているものはこういった事情からによる。変色する事は無いが、絶対起こらないとは言い切れないので心配な人は避けた方が無難。変色を回避する為にも作品を高温多湿の場所には置かないようにしたい。

[硫黄系の主な絵具]
ウルトラマリン、コバルトブルー、カドミウム系絵具等
[鉛系の主な絵具]
シルバーホワイト等
[銅系の主な絵具]
エメラルドグリーン等

混色

色を混ぜること。減法混色、加法混色、併置混色(回転混色)に分けられる。アナログでは主に減法混色と併置混色を扱い、CGでは主に加法混色と併置混色を行う。減法混色でも絵具を物理的に混ぜ合わせる方法と、重ね塗り(重ね貼り)によって混色する方法がある。

コラージュ

異なる素材のものを切り貼りして合成すること。特に写真のコラージュはフォトコラージュ(フォトモンタージュ)と呼ばれる。